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7.
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「ただいま!」
俺は新しい会社「オフト」に初出社し19時に帰宅した。
「おかあさん、あとで話し聴いてくれる?」
「お疲れ様です!何よ?帰って早々?」
「まず、お風呂でも入ったら?」
「食事の時、聴くわ…今日は入社のお祝いでお寿司取ったらかね!」
「おい、おい、奮発したなぁ…」
「良いから早くお風呂入って…」
「うん!」
「ビールも頼むよ!」
「分かったわ!」
俺は風呂に入った…身体を洗い湯船に浸かりながら…
「ああ、これから忙しくなるなぁ…」
「おかあさん、仕事受け入れてくれるだろうか?」
「…「カレン」が言ってたけどおかあさんにそんな才能があるとは?」
俺は独り言を呟きながら風呂を出たのであった。
「おとうさん、お疲れ様さま…」
「どうだった、新しい仕事?」
「それなんだけど…俺がこのA I専門会社「オフト」に入る事が出来たのおかあさんのおかげなんだ?」
「おとうさん、それってどういう事?」
かみさんから注がれたビールを一気に飲み干し、寿司を食べながら経緯を話した。
実は俺はかみさんの繋ぎ役であった。
俺にも職人としてのスキルがあり人の心情は理解していたが「カレン」の中に蓄積されたデータに優れた人材としてかみさんがインプットされていた…
それは介護・高齢者などの支援を過去仕事として行い国から褒賞されていたからだ。
俺もその事は多少知っていたが俺と結婚してある事がきっかけで高齢者の支援の仕事を辞めていたのであった。
「おかあさん、これから俺の上司はA Iを搭載した女性型サイバロイドで名は「カレン」と言うんだ…」
「そこで、「カレン」はおかあさんの個人情報などデータ化されていて、おかあさんが優秀な知識があり高齢者支援をしていた事、理解していた…」
「…」
「俺と一緒におかあさんに協力してもらえないかって?」
かみさんは一瞬驚いた顔をしたが…
「それで、私がいったいなにをするの?」
「今、この現状、おかあさんもわかるよね?」
「年金が85歳まで滞り貧民高齢者は生き場を失った。そのため国はその生き場を造るため会社を創りそこに託した…託された会社が「オフト」でありサイバロイドの「カレン」なんだ…でも、前にもおかあさんが言ってたようにA Iに出来ない事実を「カレン」は突きつけられた、そこで俺とおかあさんに協力して貰えないかと…?」
「ちょと待ってよ、おとうさんにはこれからA Iに出来ない仕事を探そうね、夫婦で…?なんて言ったけど…高齢者支援の仕事はもうやりたく無いなぁ…」
かみさんはやはり高齢者支援の仕事に尻込みしていた…
「そうだよなぁ、あんな事あったからなあ…」
俺はかみさんがどうして高齢者支援の仕事を辞めたか理解していた。
しかし、これからのこの国のためにと思い話したのであった。
かみさんが仕事を辞めた理由とは…
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