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幽閉
1
暗い洞窟の中。
冷めたお湯に水着で浸っている。
客は来ない。
出入り口から光が差し込む。
「交代」
更衣室で着替えて、2Fに降りる。
通用門から店に入る。
ざわめく薄暗い店内を見渡す。
タイムカードをチェック。
「あぎり?」
「お先に」
足元の見え辛い店内を渡り歩いて扉に辿り着く。
ドアを開けると秋の冷えた夜気が向かってきた。
得別扱いされていた。
客人だから。
湯没で没しない不沈艦。
階段を降りて、店の前の小道に着地。
地面を歩いて、左手の大通りに出る。
”痕跡”の残っていた小道の入り口へ。
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