2_3 彼のもとへ

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#7 期待 「アンプル、感染拡大とか困りますよ?」 「病原体ではなく、化学物質だから」 「そうですか」 結局、ラカイユ2には二泊三日した。 アンプルを手にしたストリスは上機嫌だった。 「ドリアンで降りるのですか?」 「そうするよ。特にクシナダに用はない」 「身分証明書ですが」 「本人が現れない限りずっと使える」 「返却するには?」 いつまでも使えるからといってずっと他人では居られない。 「コールしてくれ。解除コードを発信する」 ラカイユ3で持ち船に乗り換える。 赤い星が遠ざかっていく。 ラカイユの守備艦隊が作る網の目をくぐって外宇宙へ出る。 ラカイユからの最後のメッセージ。 ‟よい航海を” 亜光速を突破してディスプレイがブラックアウトする。 「後十日の行程になります。」 後十日ほど身を守らなければ。
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