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翌朝ーー少しだけモヤモヤした気持ちのまま、私はいつも通り登校した。
いつも通りと言っても、朝の図書当番があるため割と早い時間ではあったけれど、各部活で朝練のある生徒達はもっと早いから、私が着く頃にはそれなりに人の気配は多かったのだけれど……
その日は何だか、普段と雰囲気が違った。
何だかザワザワしていて、グラウンドではどこの部活も朝練なんてしていなかった。
ーー何かあった……?
そう思うと同時に、あちこちからこんな声が聞こえてきた。
「あそこで倒れてたらしいよ」
「マジ? 今日、授業やらないんじゃない?」
「警察来てる!」
「どこどこ?」
「助かったの?」
「死んでたらしいよ!」
死……?
何やら不穏な言葉が飛び交っている。
そしてーー。
「三年A組の教室から落ちてたっぽい!」
三年A組?
三年A組って、御崎先輩のクラス……。
先輩が昨日、誰かと揉めてた場所……。
「……っ」
急に居ても立っても居られなくなり、私は駆け足で三年A組の教室まで向かった。
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