1.

6/11
前へ
/103ページ
次へ
翌朝ーー少しだけモヤモヤした気持ちのまま、私はいつも通り登校した。 いつも通りと言っても、朝の図書当番があるため割と早い時間ではあったけれど、各部活で朝練のある生徒達はもっと早いから、私が着く頃にはそれなりに人の気配は多かったのだけれど…… その日は何だか、普段と雰囲気が違った。 何だかザワザワしていて、グラウンドではどこの部活も朝練なんてしていなかった。 ーー何かあった……? そう思うと同時に、あちこちからこんな声が聞こえてきた。 「あそこで倒れてたらしいよ」 「マジ? 今日、授業やらないんじゃない?」 「警察来てる!」 「どこどこ?」 「助かったの?」 「死んでたらしいよ!」 死……? 何やら不穏な言葉が飛び交っている。 そしてーー。 「三年A組の教室から落ちてたっぽい!」 三年A組? 三年A組って、御崎先輩のクラス……。 先輩が昨日、誰かと揉めてた場所……。 「……っ」 急に居ても立っても居られなくなり、私は駆け足で三年A組の教室まで向かった。
/103ページ

最初のコメントを投稿しよう!

41人が本棚に入れています
本棚に追加