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「……昨夜、杉山が二十一時を過ぎても帰宅しないとのことで、杉山の御両親が学校に連絡を入れたみたいでな。たまたま残業で電話を受けた教員が校舎と外周を巡回したら、外で倒れている杉山を発見したらしい。恐らくA組の教室の窓から落ちたようだ」 教師の説明に、御崎先輩は「そうなんですね……」と頷いた。教師に隠れているから、先輩の表情は見えない。 教師はこう続けた。 「事故か自殺かまだ分からないが、もし杉山のことで何かしら気付いたことがあれば、どんな小さなことでもいいから報告してくれ」 「分かりました。クラスメイト達にも話を聞いてみます」 「頼む。ちなみにお前、たまにサッカー部の後輩の面倒を見るために夜まで学校に残ったりしてるよな? 昨日の放課後は、特におかしなこととかはなかったか?」 教師からのその質問に、先輩はこう答えた。 「すみません。昨夜は夕方には帰宅したので、分かりません」 ……え? 先輩、嘘吐いた……? だって昨夜、間違いなくこの教室にいたよね……? すると先輩は、教師の陰から自分を覗く私に気付いたようで、私は彼とバチッと目が合ってしまった。
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