第四話 彼との関係

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(閑話 玲衣) 本気か? あの男。 廊下を出て自分の席に戻りながら、俺はクスっと笑っていた。 天才と言われた藤本彰斗と初めて仕事をした感想は、どこかつかみどころがないというものだった。 業界内の噂はもちろん知っていたし、パーティーであいさつを交わしたこともある。 その時は、穏やかで恐ろしく美しい。まわりの女性が色目を使うのすら、全く眼中にないのに、誰にも不快な気持ちにさせない見事な話術。 きっとかなり頭が切れる男なのだろう。 そう思った。 仕事を一緒に初めてからも、その鋭い着眼点と、才能は素晴らしいし、天才だと思う。   でも……。 その完璧な仮面がはがれる一瞬がある。 それは志波が関係するときだけだ。 やばっ。 面白いかもしれない。
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