2787人が本棚に入れています
本棚に追加
/166ページ
『醜いあんたは、ここに置いてもらってるだけで感謝しなさいよ! 誰にも相手にされないんだから』
何度も麻美に言われ続けた言葉が、いまさら頭に浮かんだ。
こんなふうに少し着飾ったからと言って、何か変わるわけではないのに。
急にスカートを穿いた自分も、髪型をかえたことが恥ずかしくなる。
「失礼します」
それだけを言うと、私は部屋を後にした。
何を勘違いしていたんだろう……。私と彼は住む世界が違う。
昔から解っていたはずなのに。
玲衣さんとこんなことなら、食事に行って打ち合わせをしたほうが、気分が晴れたかもしれない。
最初のコメントを投稿しよう!