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禮蘭との関係
お父さんと真凛は翌日には、慌ただしく帰国した。
二人の親達に認められた今、俺と禮蘭の未来は約束されたと言っても過言ではない。
あとは二人の関係が未来永劫、良好に続いていく事を祈るばかり。
禮蘭が、思いがけずも[慧士郎]さんから預かったという指輪を出した。
俺と禮蘭の為に購入したという指輪は、紅い小さな箱に収められていた。
禮蘭が跪き、赤い箱を捧げる様に差し出した。
箱を開けると、プラチナの指輪が2本。
一つを手に取り、左手の薬指にはめた。
キラリと煌るシルバーの輝きが、眩しく光った。
「隼、これから先ずっとそばにいてほしい。いいか?」
「禮蘭、約束する。お前のそばから一生離れないと誓うよ」
禮蘭の左手の薬指に同じ指輪をはめた。
二人の愛の誓いのリング。
お父さんからの贈り物に温かな気持ちが伝わった。
ニューヨークを発つ前日、真凛と二人で選んだというリングが俺たち二人を祝福している。
この先、二人の関係を社内だけに限らず公にすると禮蘭は言う。
俺は俺なりにこれから先の二人為に覚悟を決めると、禮蘭に約束をした。
20年越しの俺と禮蘭の想いは、色褪せる事なく変わらなかった。
二人の暮らしは今始まったばかり、これから先の20年そしてもっと長い人生を二人で共に生きていくと覚悟を決めた。
祝福してくれた二人の両親の為にも、後悔のない生き方を選択していく。
優しく微笑む禮蘭の側で、いつまでも変わらぬ愛を誓った。
完
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