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社食
大企業にも関わらず、社員同士の関わりが温かい。
社食で食事をしていると、役員や上司と親しげに会話をする社員を見かける。
自分達のような小さな会社なら、全員が顔見知りの状態だから仲がいいのはわかるが、このビルの中だけでも数百人の社員がいるはずなのに、皆んなが和気あいあいとしていた。
会社の雰囲気が仕事に大きな影響を及ぼす、良くも悪くも経営者にとって社員同士の関係がどうなのかは気になるところだろう。
そういう意味で社長自らが、社食で食事をする姿は好ましい。
古参の社員ならともかく、我々のような新規参入者へも気楽に話しかけてくれるのは、彼の人柄の良さだろう。
女子社員だけでなく、男性社員にも人気なのも頷けた。
あの魅力的な声と容姿で声を掛けられれば、社員でなくても意識してしまう。
今日も多くの社員に囲まれてランチをしている社長を見かけた。
あの中に入って行く気は無いが、社長とランチを食べる社員を羨ましく思う自分がいた。
遠くにいる集団を横目に見ながら、同じ職場の社員同士で賑やかなランチを楽しんだ。
資金力がある企業というのはこんなにも恵まれているのだと実感する。
無料のランチに始まり、マッサージルームにはプロの指圧師が常駐している。
休憩ルームは昼寝も出来るような、リクライニングチェアーが用意された個室もあった。
社内環境が大きく改善されたのは、今の社長が就任してからだと聞いて、やはり業績が大幅に上昇したのは社長の手腕だと認めざる得ない。
やり手社長な感じはないが、出来る男の魅力があのオーラなのだろうとうなづける。
どこまでも、人を惹きつける魅力的な男だった。
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