鑑了 ドラマ 沈黙の艦隊(感)

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鑑了 ドラマ 沈黙の艦隊(感)

 Amazonプライム配信ドラマ。沈黙の艦隊。  映画館で見てはいたが、気になってドラマを視聴。  現在も配信中のため、ネタバレになりすぎないように記載する予定だが、昔のコミック原作実写化であることを忘れてしまうほどの迫力だった。    沈黙の艦隊は、「アメリカ海軍所属」でありながら、「日本の技術を用いて開発された」核保有の原子力潜水艦が主役のヒューマンドラマだと思っている。  主人公の海江田氏は、アメリカ海軍所属の原子力潜水艦「シーバット」を掌握。原子力潜水艦を「ヤマト」という国家として、世界の統一と平和を掲げるのだが……。  海江田という男は、原子力潜水艦を泳ぐように操る。海を知り尽くしているのだ。    だが、それは一人ではできない。海江田と同じ原子力潜水艦に乗りヤマトの一員になった者たちの技術があってこそなのだ。  ピンと伸びた背。己のやるべきことをやりとげる。  ドラマの中では唯一人、この人を崩せば崩れるのでは? と、思う乗組員がいるのだが、それも海江田という男は理解したうえでヤマトに乗せているのだろう。その乗組員は、この先の航海を見届人なのだと思い、彼の動向もシーズン2では気にしていきたい。  彼は、海江田氏が自衛隊潜水艦の艦長だったころに死亡した青年の弟なのだ。ヤマトの中では比較的新人さんではあるが、彼は時折大事な場面を任されている。その点からも、見届人なのだろうと思うのだ。  本作品は、戦争につながるシーンも多く、海軍と自衛隊。アメリカと日本のやり取りも実に興味深い。そこに墨を垂らし波紋を広げたのが「独立国家 ヤマト」なのだ。    海江田氏にも不安はあり、顔色がかわる瞬間はある。だが、揺るがない信念と、綺麗事にもならない理想論を叶えるために清濁併せ呑む覚悟もある。    映画からドラマにはいるとより深く知ることができ、ドラマのみ、映画のみでも十分たのしめる。  わたしはこのドラマを見ながら 「人間の本質が醜い」と識っているからこそ衝突するのだろうな。と、思っていた。  いま発射されたミサイルが核弾頭だったなら?   と、ぞっとするほどの恐怖も、争う痛みも鳥肌がたつほどに伝えてくる。  同時に、痛みを知りすぎて壊れた正義感の暴走がもたらす怖さにも触れる。  ヤマトがこれからどこに向かうのか。  シーズン2がたのしみだ。  
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