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「はぁ?真紀は戦闘が得意じゃないから、うちらは基本一緒に行動してんの! 護衛よ護衛!」
「では、オマケでついて来た護衛さんは黙っててください」
「ぐぬぬ……!生意気なクソメイドォ……」
はぁ、と酒呑童子はいつもの実紀と紗夜のバトルに頭を抱えていた。
真紀も苦笑いしつつ、話を進めた。
「と、とりあえずやってみるわね」
「頼む。女、さっきみたいに『んー』でいいから、自分の名前を喋ってみろ。」
「んん!」
「どうだ?」
「うん、大丈夫。分かったわ。この子の名前は"ゆい"って言うらしいわ。多分……漢字で書くと"結衣"になるかしら……初めまして、ゆいちゃん」
「んんー!」
結衣は言葉を伝えられる人がいる事が、嬉しくて嬉しくて仕方なかった。思わず真紀に抱きついた。
「よしよし、いい子いい子……」
「ん〜!」
結衣は頭を撫でられ、完全に真紀に懐柔された。
「お姉様!私もっ!」
「はいはい。いらっしゃい、紗夜ちゃん」
両脇に結衣と紗夜を抱えて頭をなでなでしている真紀。
「ちょっと!真紀はあんた達の姉じゃないっつーの!」
やれやれとため息をつく酒呑童子であった。
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