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それぞれの経緯
「なるほど、そういう経緯でてんちゃんの家にね……」
「ああ」
「いいと思うわ」
実紀が驚いた。
「ちょっと真紀!人間を鬼の家に置いといて良いわけがないでしょ!? 確かにどーじの"隔世術"なら私達以外誰も入れないし安全だけど……」
「そう、私達は仕事があるからずっと結衣ちゃんを保護できるわけじゃないし、"神地転移"で遠くの人里へ飛ばす事も出来るけど、言葉を話せない女の子が見知らぬ土地で上手くやっていけるかどうか……それに結衣ちゃん、すごく可愛いし、きっと世の男性達は黙ってないでしょう。つまり、どこに行っても危険ってこと」
「だ、だけど、どーじ自体が危険物じゃないの!極悪非道、史上最強最悪の鬼の近くに女の子を置いとくなんて……あっ……そっか……」
「そう。てんちゃんは"酒と女"に関して特別な呪いをかけられてるでしょ? だから絶対に手を出せないわ。それに、てんちゃんがやましい気持ちで保護して来たわけじゃない事は、私の能力でわかるもの」
「ふーん。どーじがねぇ?」
実胡は酒呑童子を怪しげな目で見た。
「だからずっと言ってるだろ?俺はお前らみたいなガキに興味はねぇって」
「あんた、私に襲いかかって呪い発動した事あるじゃない?ぷぷぷっ!」
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