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と、こんなやり取りがありつつ、雑魚鬼の退治を引き受けてしまった訳だが……。
すると、モヤモヤと影が集まり出し、酒呑童子は九体の鬼に囲まれた。赤鬼が四体、青鬼が五体だ。
「おいガキィ……わざわざ食われに来てくれてありがとうなぁ、うひゃひゃひゃひゃ」
「ここらの漁村の人間じゃなさそうだが……」
「陰陽師でもなさそうだな」
「何も知らず家出したガキがここまで来たのかねぇ?」
「食べ応えがなさそうだ……」
鬼はそれぞれ勝手な事を口にしていた。
「おいガキ、大人達をここまで連れて来い。そしたら褒美をやろうじゃないか」
「金ならいくらでもあるぞ」
そう言うと、チャラチャラと酒呑童子の目の前に見せつけた。
「これで好きな物を買うも良し、どこか他の地へ行くも良しだ」
「俺達はお前を襲わない。なぁ、協力しないか?」
酒呑童子はニヤリと笑った。
「金は先払いだ。全て置いていけ。それから、お前らが仲間を連れて来い」
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