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「村長! や、やめて下さい!何でこんなっ……私は生贄となるために……」
結衣の言葉は届かない。いや、むしろ届いていたからこそ、その情欲をさらに掻き立てたのかもしれない。
村長は若い娘の胸に夢中で顔を埋め、歳に見合わぬ欲望をぶつけていた。
取り巻きの四十ほどの男が言った。
「だからさ、そんな言い伝えはなーいの、結衣ちゃん。村長が作った嘘なのよ。こうやって村娘を生贄として山奥に連れて行って、村から持ってきたうめぇ酒と共に数日間の宴をするんだ。宴で何をするかは、もう分かるよな? フハハハ!」
「もつろん、この事がバレねよう、やる事やったら娘はちゃーんと殺すっぺな。どのみつ生贄となっだ娘が村さ帰りゃ、村の掟に違反すたっつー事で家族全員村八分だ。"生贄になんのが怖くて逃げ出すた"って誰もが思うだろな」
結衣は恐怖で体が震え、言葉を失った。しかしここで言う"言葉を失った“と言うのは一時的な感情によって絶句するというものではなく、"本当に何も話す事が出来なくなった"のだった。
「村長はその歳でまだまだ現役っすねぇ!フハハハ!」
言葉だけではなく、結衣は感情すら失いかけていた。村のためと思い、命を捨てる覚悟をして村を出た。恐怖で震えるたび、生贄となって村を救うためと自分に言い聞かせてきた。
それがなんということだろう。村の風習の裏に、このような真実があったのだ。それも、自分だけでなく、過去にも生贄となった娘がたくさんいた……。その娘達も村長とその一味の毒牙にかかったのだろう。その事実だけでも、結衣の感情を破壊するのに十分だった。
ついに村長は服を脱ぎ、結衣を押し倒した。結衣は物理的にも精神的にも、もはや抵抗する力はなかった。
四人の男達も我慢ならず、村長の許可もなく少女の身体を触り始めた。
「おい、お前らはまだじゃ! 今後も生贄の儀式に呼ばれたければ控えるんじゃ!」
「だって……こんな美しい娘……我慢できねぇ!」
「これで最後でもいい!ジジイどけ!」
「んだんだ!」
「うひゃあ!なんて柔けえ身体なんだ!」
年老いた村長と中年の男達五人が、一人の少女に襲いかかる。
その時、
「お前ら、何してんだ?」
若く美しい少年が、村人達を見ていた。
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