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仲間を連れてきた結果、女子供合わせて三十の鬼が集結した。しかし八体の鬼は拷問の結果、すでに死ぬ寸前だった。
「ひ、ひでぇ……」
「何てことを……!」
「これを……このガキが一人で!?」
酒呑童子は笑った。
「はははははっ! お前らが人間にやった事と大差無いじゃねえか。弱い生物は強い生物に喰われる。それだけだろ」
拷問を受けた八体の鬼は、その場で蛇に飲み込まれた。鬼達の動揺と悲鳴の声が一瞬だけ上がり、すぐに波の音がそれをかき消した。
「俺の名は酒呑童子。このまま全員ここで殺してもいいが、二度と人間に手を出さないと言うなら見逃してもいい。どうする?」
鬼達は騒めいた。
「しゅ、酒呑童子だって……!?」
「あの最強最悪の鬼が……? まさか!」
「生きていたってのか!?」
「でもあの身体……どう見ても子供だが」
「それになぜ人間の味方をする……?」
はぁ……と酒呑童子はため息をついた。
「お前らに色々説明する必要はないだろう? お前らが出来ることはただ二択を選ぶ、それだけだ。俺にここで殺されるか、人間に手を出さないと誓うか。早くしろ」
数秒の後、鬼達は人間に二度と手を出さないと誓った。
「ま、手を出したら次はもっと面白い拷問を用意しといてやるからな。楽しみにしとけ。ふははは!」
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