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巫女姉妹
「そうだ、まだ名前も聞いてなかったな。喋れないなら書いてみろ」
そう言ってこの屋敷の主人・酒呑童子は、子供の見た目ながら主人らしく、豪華な応接間の椅子に結衣を座らせ、紙と筆を渡した。
「ん……」
「お前、字も書けぬのか。まぁ村の娘なら仕方ないか。では何と呼べば……」
「ご主人様。私にお任せください。私は吸血鬼。人の心を読む能力がありますゆえ、彼女の心を読んで名前を聞き出して見せましょう!」
――いやそんな能力あったか……?
「うんうん、うんうん!なるほどなるほど! 分かりましたご主人様! この女の名前は"貧乳銀髪クソ媚び女"だそうです!」
「お前、今日の晩の血、無しな」
「そんにゃあー!!!」
ふむ……と酒呑童子は手を顎に当てて考えていた。すると、一つの考えに辿り着いた。
「話せない者と言葉を交わす……"真紀"なら……いやしかし……」
「そうですよご主人様!"お姉様"なら分かるはず!私連れてきますねっ!」
「ま、待て、紗夜っ!やめろ!…… 」
主人の忠告も聞かず、紗夜と呼ばれたメイドは影となって消えた。
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