巫女姉妹

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「はぁ…… あの馬鹿……ちゃんと"真紀"を連れてくるんだろうな……。ま、まあ名前はとりあえずいい、それより女、風呂に入れ。森の中を歩いて汚れているだろう。案内する」   「んっ!?」  結衣は両腕を胸の前にして、防御するような姿勢をとった。 「別にお前を襲ったりしねぇよ。俺はお前みたいなガキに興味ないんだ。こう見えて500年以上生きてるんでな。安心しろ」 「……」  明らかに信用していないジト目で見ていたが、酒呑童子は構わず首根っこを捕まえて風呂場へ連れて行き、戸を閉めた。もちろん運ばれている間も「んー!んー!」と言いながら暴れていた。 「ったく世話が焼ける……」  1時間後、あまりの立派な檜風呂に感動して素直に風呂を満喫した結衣は、メイド服を着て出てきた。女用の服はそれしかなかったからだ。かといって、今まで着ていたボロボロで汚れた服を着る気にはなれなかった。襲われた時の服でもあったため、それを一刻も早く捨てたいとさえ思っていた。 「ん……」 「おう、なかなか似合ってるじゃねぇか」 「……!」
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