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実はアリンは、フィオナンが人ではないと知ってから、こっそり館の周りにいるエルフたちにフィオナンのことを訊いたが、彼らは口をつぐんだ。アリンはてっきり、フィオナンは妖精だと思っていたので、その反応に困った。彼らと同じ存在なら、きっとエルフは「そうだ」と認めると思っていたからだ。
ドライアドやシルフィーにその存在を聞いてみたが、はっきりしなかった。
フィオナンは、人でないなら何なのか?
その疑問に一旦蓋をしたアリンだったが、今日のように噴火することを知っていたかのような口ぶりに触れると、彼は何者なのかと知りたくなるのだった。
デスモンドは、フィオナンからの指示でアリンたちがタウルンディアに戻る準備を進めていた。各地に散らばったタウルンディア王家の親戚筋の人々を探し出して、彼らにアリンの書簡を届けたり、タウルンディア城を住めるように整えたり、かなり忙しく動いてくれていた。
ダイニングに揃ったアリン、エイダン、フィオナンそしてデスモンドで、今後の話をすることになった。
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