23 噴火

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 そうやって椅子に座っているときも、地面は揺れる。今回は、テーブルの上のコップが倒れた。エイダンはアリンにしがみ付いている。 「激しいなー」 と言いながら、フィオナンがコップを片付けた。  デスモンドが、 「他国の兵隊が退いたので、アリン様のご親族の2家族は、すでにタウルの街に入られました。アリン様とエイダン様がご帰還されるとお伝えしたら、大層お喜びでした」 と教えてくれた。  デスモンドは、まず王家の親戚が生き残っていないかを探していて、南の地域の豪族にかくまわれていた家族を見つけていた。 「タウルンディア城にあった遺体は、全てシアランディアが運び出しています。いずれ拠点にするつもりだったのでしょう。結構綺麗に片づけていました。物資も運び込んでいるので、とりあえずの生活は出来るでしょう」 と、デスモンドが言ったので、エイダンが 「もうタウルンディアに戻っていいの?」 と声を上げた。デスモンドとフィオナンは微笑んで頷くので、エイダンは子供らしくその場ではしゃいで喜んだ。 「さぁ、明日から引っ越し準備だよ」とフィオナン。
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