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「…本当に寧々目当てじゃねえの?」
「最初から言ってんじゃん。私そういうのホント興味ないの。恋愛に費やしてる時間があったら、他のことする。恋だの愛だの馬鹿馬鹿しいと思ってる」
「女らしくねえな」
「友達にも良く言われる。遊んでそうな顔してお婆ちゃんみたいねって」
「婆ちゃん?」
「笑った」
「……」
「遙斗くん、もっと笑った方が良いよ。カッコいいんだから」
良くクールな人がモテるって言うけど、私にはあれが良く分からない。
クールで冷たい人と一緒に居て何が楽しいの?
一緒にいるなら良く笑ってくれる緊張しない人の方が、良いに決まってるじゃない。
まぁ人それぞれだから、あくまで私はって意見だけどね。
凄い視線を感じて顔を前に向けたまま視線だけ横を見上げたら、私と同じく正面に顔を向けたまま、少しだけ俯いてこっちを見る双眼と一秒も待たず目が合うから、ゆるりと得意気に笑って見せた。
「なぁに見てんのよ。見惚れた?」
「こっちの台詞だ、アホ。見んな」
「遙斗くんが私のこと見てたくせに」
「お前って変わってるよな」
「そう?」
「変」
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