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7 〜綴〜 「紹介するわ、さっき話してた舟木彩(フナキアヤ)と凪野瞬(ナギノシュン)うちの学校の一年」 二人はフローリングに敷かれたラグの上に座り井波が紹介する順番に頭を下げた。 舟木彩は井波と同じギターを弾くらしい。俺と同じくらい感情が死んでるように無表情だ。 凪野はベース。コイツはとにかく明るい奴だった。と言うより煩い。 「紹介どーも…で?何だよ、さっきの本物だっ!て」 眉間に皺をたっぷり刻んで二人を睨みつける。 すると、井波がハハッ!と笑いながら話し始めた。 「如月、マジで知らないの?自分の事」 「俺の事?」 「超絶イケメンとか、顔面国宝とか、美しいとか…あとなんだっけ?」 井波が二人に顔を向けると凪野がピシッと手を伸ばして「王子様っ!」と言い、その後に舟木がボソリと「キング」と呟いた。 「そうそう、それそれ!」 井波は満足そうに笑う。 あまり笑わない無愛想な井波…というイメージが総崩れしていく。 「だから!ボーカル頼むわ!」 パンッと顔の前で手を合わせ、片目で覗き見る仕草に思わず吹き出してしまう。 「……ふぅん…面白そうじゃん…やるか」 物の弾みだった。 何だかそういう雰囲気だったんだ。 まさか、俺を変えていく出会いだなんて… この時は思うはずもなかったんだ。 何せ俺は、極度の人嫌いだから。
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