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すると江國は一つの提案を出した。
「みんなに見られるのが嫌なら、誰もいない空間で好きな恰好すればいいじゃん」
寝耳に水だった。理都は、何かの悟りを開いたかのように呆然と目を見開く。
「……そ、そうか。その手があったか……」
「いや、誰でも思いつくかと……」
江國は若干あきれつつ、「好きな自分でいればいいと思うよ」と理都に答えを示した。
チャイムが鳴り、担任教師が登壇する。生徒たちが席に着く中、理都はいまだ悟りを得たかのような顔つきでぼーっと友のそばに居座り、担任から注意を食らってあわてて着席した。
🏫
放課後、理都は人がまばらになった教室に残った。
本当は売店に行って、こっそり女子制服のリボンを購入しようと目論んでいたのだが、なかなかこちらの思惑通りに人の数は減ってくれず、売り場には生徒たちが途切れ途切れに来店している。
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