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「わかった。楽しみにしてるね!」
「うん、僕も楽しみにしてる」
「来週には花が咲いてるといいね!」
「そうだね、きっときれいだよ」
もう1週間たつのが楽しみでしかたがない。また会えることへの喜びに顔がほころぶ。
「何時ごろがいいかな、一緒に昼食を食べたいな!ルーは何時ごろなら来れるの?合わせる……よ……」
ん?
お昼ごはん?
私たちは顔を見合わせた。
「「あーーーー!」」
2人とも話に夢中で忘れていた。昼食を食べていないことを。
思い出すと一気にお腹が空いてくる。
グルグルグル。キュルルルルル。
2人分のお腹の音が鳴った。間抜けな音に私もルーもお腹を抱えて笑いころげた。
「来週こそは一緒に昼食を食べようか」
「うん。そうしよう!」
笑いの残る緩んだ声で話す私たちを、真っ赤な夕陽が照らしている。
「来週はフィーの分も作ってもらって持って来るよ。楽しみにしていて」
「わあ、いいの? 楽しみ!」
キュルルルルル。公爵家の料理人の作る昼食を想像した私のお腹が再び鳴る。私は赤くなった。ルーがクスッと笑った。
「早く何か食べないといけないね。それじゃ、また来週」
「ええ、また来週ね!」
そう言って私たちはそれぞれ帰途についた。
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