3 はじめての友だち

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「あらあら。今日は甘えたい気分なのですか? 馬車は揺れますから、危ないですよ」  私は、ふふっと笑いながらしばらくマリーに抱きついていた。  しばらくしてマリーから離れると、初めてのお友だちができて嬉しかったということ、ルーと来週にまた会う約束をしたことなど、今日のことを馬車が邸宅に到着するまでに思う存分話した。  その日は、夕食は少し時間を遅くしてもらった。たくさん遊んでお腹が空いているはずなのにとニックは不思議そうな顔をしていたけれど、帰りの馬車で急いで昼食を食べたせいであまりお腹が空いていなかったことは秘密だ。  お風呂に入って汗を流してさっぱりした私は、寝室に戻ると水色の日記帳を取り出して、最初のページを開いた。可愛くて使うのがもったいなくて、まだ何も書いていなかった日記帳。ルーとの大切な思い出を書きとめるために使いたいと感じた。    覚えておきたいことが多すぎて何ページも書いてしまった日記帳を机の引き出しにしまって、私はベッドに寝ころんだ。今日のことを何度も何度も思い返しながら、私はいつのまにか眠りについたのだった。
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