2 友だちがほしい

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 ルイスの涙に私はうろたえた。 「ご、ごめんね! 泣かないで。そんなに嫌だったならルーって呼ぶのはやめるから」 「やめないで!」  私の言葉を聞くやいなや、ルイスが叫んだ。その勢いに驚いていると、ルイスは涙を袖で乱暴にぬぐい、深呼吸をした。 「ルーって呼んで。突然泣いてごめん。愛称で呼ばれることに憧れていたけど、今まで両親ですら呼んでくれたことがなかったから。嬉しかったんだ。君がそう提案してくれたことが」  私は友だちなら愛称で呼びあってみたいと憧れていたけれど、家族はソフィーという愛称で呼んでくれていた。だから、ルイスが家族に愛称で呼んでもらったことがないことに驚いた。 「ご両親に愛称で呼んでってお願いしたことはなかったの?」 「ないよ。2人とも、立派な後継者になるために努力しろ、現状に満足せずもっと上を目指せ、しか言わないんだ。僕のことを息子としてじゃなくて、後継者として見てるんだよ」  苦しそうな表情で語るルイスに、私も胸が痛くなった。 「寂しいね」  私にはそれしか言えなかった。励ましの言葉をかけるのは、正しいことではない気がした。
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