1 出会い

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1 出会い

 あたたかいおひさまの光。小鳥のさえずる声。風に揺れる葉の音。  今日も、新しい1日が始まる。  もうすぐ侍女のマリーが私を起こしに来る時間だ。  ベッドから起き上がって伸びをしていると、ちょうどマリーの軽やかな足音が聞こえてきた。部屋にノックの音が響き、ドアが開いた。 「おはようございます、お嬢さま」 「おはよう、マリー!」  元気よく挨拶を返すと、マリーは目を見張ってほほえんだ。 「起こしに来る前からお嬢さまが起きてらっしゃるなんて。よほどお出かけが楽しみなのですね」  そう、今日はフェルノ家の領地にある邸宅に来て初めてのお出かけの日だ。私はこの自然に囲まれた邸宅で過ごすことが好きだった。そんな私に、12歳までかかる予定だった教育内容を10歳で終わらせたごほうびとして、お父さまが3か月の間フェルノ領で自由に遊んで過ごすことを許可してくれたのだ。  王都にある本邸からフェルノ領に来ているのは私とマリーだけだ。  教育を早く終わらせたごほうびは何が良いかと聞かれてフェルノ領に行きたいとおねだりしたとき、お父さまもお母さまもお兄さまも、私と離れるのは寂しいと言って反対した。3人はそれぞれ仕事や学園があるので、王都を離れることはできない。
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