本当の賢者

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本当の賢者

ファンタジー世界の酒場で賢者のイメージについてホロ酔いで話していた。 「穏やかで、争いを好まなくて……」 「でもさ、それって知識というよりは知恵じゃないか?」 「知恵があるのが賢者ってことじゃないの?」 「……知恵は、ずるさも含む気がする。」 「ずるさの定義が人によって違うだろうけど」 「知識で人をぶん殴るような奴が、羞恥心を遅れて身につけて人格者のふりをしている、 それが賢者ぶりっこ、だとしたら」 別のテーブルから声がかかる。 「今まで出会った賢者って、思ったより当たり前のことしか言わなかったりしたんだよ。そうか、なるほど。分別のついたあとで賢者って言われる人間になるのか」 酒場のドアがバアアーン!と開いた。 「どうもー! 最高の賢者ッス!自分賢いッス! 知識はあるけど女に溺れて貧乏なんで、お金くれたら知恵売ります! 」 品性も分別も羞恥心もなさそうな、 むき出しの賢者がやってきた。 「俺、自分で賢者って売り込む奴初めて見たぜ……」 「賢者(自称)、いたんだな……」 「自分を万能って信じられるのって超賢くないっすか?」 「え」 ちょっと、深いじゃねえか 自称賢者
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