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仕事に行く前は嫌だけど、行ってしまえば気分が変わるからしていてよかったと思う。同じ年で、同じような環境である同僚の川埜さんと夫の話をしていると、朝の嫌な気持ちはほとんど消えていた。
今日は大好きなメンチカツにしてあげるか。こねて揚げなければいけないから、作るのとっても面倒だけど。
そんな感じで、仕事から帰ってすぐ、機嫌良く料理をしていたのに。
「あれ!俺のメンチカツ翔より小さくない?その横にあるチキンナゲットみたいなやつもないし」
机の上に並べられた夕食を見て、夫は息子の翔よりも自分のものが貧相だと言う。
「そうちゃんには豚のピリ辛炒め残ってるから、それ食べてもらいたくて」
「えーっ。了解。どっちも食べれるのに」
不服そうな顔をする夫に少しピキリとしながら「トマトとチーズのオムレツならすぐ作れるけど、作ろうか?」と訊くと「やった!」と機嫌を直した。
子供たちの隣に並んで、勢いよくオムレツを頬張る夫を見て、私は子供を三人も産んだのだろうか。と、首を傾げてしまった。
まあ、美味しいって食べてくれるからいいけど。
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