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「……旦那がさっき、柳から連絡もらったらしいんだけどさ」 「柳って……えっと、高2の時に同じクラスだった柳田君?」 「そうそう、柳田。ほら……うちの旦那、柳とはサッカー部の先輩と後輩だから、今でもたまに会っているらしいのよ」 咲の旦那さんが、私達と同じ高校の一つ先輩だということは知っている。 けれども学生時代から縁があったわけではないので、所属している部活動までは知らなかった。 ちなみに柳田君はクラスの人気者って感じの明るく陽気な男子で、人見知りだった私はあまり話した覚えはないけれど、誰とでも気兼ねなく接することが出来る咲とはたまに喋っていたように思う。 久しぶりにい聞いた名前に、やや懐かしい気持ちになったのも束の間、私は本題に戻った。 「そうなんだ……。で、柳田君の連絡がどうかしたの?」 「うん、それがね……多分、間違いない情報だと思うんだけど……」 普段は何事もはっきりと言うタイプの咲が、やけに歯切れの悪い物言いをするものだから、妙な胸騒ぎがした。 そして、その胸騒ぎは現実のものとなった。 「……兼光君が、亡くなったらしいの」 「えっ……?」 咲が何を言っているのか、すぐには理解できなかった。 けれども、私と彼女の共通の知り合いで「兼光君」といえば、思い当たる人物は一人しかいない。 暑くてたまらないはずだったのに急に血の気が引いて、背中に冷たい汗が流れるのを感じた。
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