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窓から差し込む、午後のギラギラと照りつける太陽の日差しを見上げながら、ふと思うことがある。
昔は夏の暑さがこんなに辛いものではなかったはずなのに、と。
私のデスクは窓際なので、ブラインドカーテンを閉めるのは必然的に私の役目となっている。
たいした動作ではないのに、私は編集作業を中断して、心の中で小さく溜息を吐きながら重い腰を上げた。
「まるちゃん、ありがとう」
「いえ、どうしたしまして」
向かいの席で同じく作業中の三矢先輩に声をかけられて、私は愛想笑いを浮かべて答える。
絹のようにサラサラで艶やかな長い黒髪が素敵な二つ年上の女性で、才色兼備な彼女に憧れている男性社員も少なくないと聞く。
同性の私ですら、密かな憧れを抱いてしまうのだから当然だろう。
すると、キーボードを叩く手を止めることなく、先輩が気さくな感じで問いかけてくる。
「まるちゃんは、連休中どこかに行くの?」
「……私ですか?そうですね、実家に帰ろうかと……」
東京から地元の長岡までは1時間半ほど、新幹線の指定席の切符はもうすでに確保済みだ。
最近は忙しくてゴールデンウィークにも帰っていなかったし、この時期に合わせて祖母のお墓参りに行くつもりでいる。
それに、昨年結婚を機に地元に帰ってしまった、親友の咲(えみ)とも久しぶりに会う約束をした。
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