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「おはよう、龍巳ちゃん」
俺はこの女みたいな名前が嫌いだ。
「うるせぇよ」
俺は普通に生きてきたつもりだった。まぁ、少しグレたりしてたけど。
「悪い。なぁ、それより、今日の合コンお前も来いよ」
俺は一度も女には興味なんて湧かなかった。
「パス」
恋愛は面倒なだけだった。彼女持ちの知り合いは文句ばかりで恋愛に興味が持てなかった。何より不倫して出て行った母親の影響が強かった。父の再婚相手は良い人だったけど、恋愛なんて気分にはなれなかった。
「お前さ、人生何が楽しくて生きてるんだ」
同僚の颯斗は朝から煩かった。よく喋る奴だと思っていたが、今日はいつにも増して煩い。きっと合コンの女側のメンツが良いのだろう。
「ハンバーガー。俺はロッタリア一筋なんでな」
仕事も面白かった。SEとして俺は顧客からのウケも良かったし、出世なんてできなくても良いと思えるくらい上司や先輩にも恵まれていた。
「じゃあ、今度ロッタリア奢るよ。今週末、龍美誕生日だろ」
俺はその言葉に興奮して颯斗の手を握った。
「龍巳、お前気持ち悪りぃぞ」
俺はこの日、とても後悔した。そう、お昼をロッタリアにしなかったことを。
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