恋する魔法少年

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俺がそんな事を考えてたのも束の間、淡いいや淡くはないんだけど光に包まれた。 焦って周りを見れば周りの動きは止まっていた。つまり、俺が変身してる間、周りの時間が止まっているのだ。ちなみにこの間は俺も身動きが取れない。 変身し終わると、また周りが動き出す。 髪の毛が伸びて肩ぐらいになってる。耳に触れれば、いや特に耳はピアスが取れてる訳でもない。 胸にはおっきなリボン、ふりふりでふわふわなスカート。ガターベルト。 『おー!変身出来たんだな!!可愛らしいグレーの魔法少女じゃねえの!特殊色来たー!!』 ふんっふんっ、と鼻息を荒くする男。服のお店のガラスに写った俺の姿はかなり可愛いスタイルのいい女の子だ。ちなみに胸はない、ちんこはある。 「ちょっとまって、あんたこれどうすりゃいいの」 『きらりちゃん』 「え?」 『きらりちゃん!!』 男は声を大にして自身の名前を言った。さっきの俺みたいだな。 「……、きらりパイセン、どすればいいんですか」 俺は後ろに倒れている真斗を起こす。 すごく軽々真斗を抱き上げることができた事に俺は目を見開いた。そもそも筋肉は意外とついている方だが、ここまで軽々持ち上げられると思ってなかった。 「えっ」 「……?」 少し目を開けて俺の顔を見る真斗。や、やば。バレた。 「あ、あー真斗これは、ち、ちがくて…」 真斗は俺の顔を見るとぼふっと赤くなった。 「わ、わっ!おれ、なんで、えっ」 そう言って焦り出してる。……どうやらこの天然馬鹿は俺だと言う事に気が付いてない様だ。それならもういい、格好だけつけてあとはきらりに教えてもらおう。 「ここで待ってて。あとで病院行って。」 俺は真斗をベンチに下ろして魔物の方へ向かった。 『ひゅ〜、かっくいー』 きらりがぷすぷすと笑って来るから俺はがつんと殴ってやった。 「どうやって戦うの!早く教えて!」 『ひどーい…、ステッキで殴るんだよ。」 「え?」 『ステッキで殴るんだ。今なら高く飛べるし、速く走れるし、強い力も出せる。魔法少女によってどれに特化してるか変わるけど君の場合は多分物理。』 ……。 俺はぴょんぴょんと飛ぶとクラウチングスタートを切った。 「魔法少女の魔法って、何!?」 俺はそう思いながら軽くてわたあめみたいな身体を持ち上げ、思いっきりモンスターの目を潰すように上からステッキを振り上げた。 その一撃はかなりモンスターには重かった様だ。気持ちの悪い雄叫びをあげて紫色の光に包まれるとぼん、と周りに被害を出さない様に消えた。 「え、なんかすごい環境的…」 『やばーい!神麿ってばめっちゃ強い!!!やっぱり特殊色の魔法少女は強いよなぁ』 ばしんばしんと俺の背中を叩くきらり。ギャルみたいな反応すんな馬鹿野郎。きもい。 「なんであんなに早く死んだの?」 『あいつの急所が目だったってのと、神麿の物理が強すぎたんだと思う。大体の魔法少女は魔法で頑張ってるんだけど神麿は物理に大幅特化してるみたいだな』 急にキリッと格好つけて言い出すきらり。じゃあ今のは俺の必殺技だった、みたいな事?それを急所にぶち当てたからあいつは即死したのか。 なんだか、理解はできるんだけど…納得はできないな…
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