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「俺に似てて…、で?」
俺が真斗を見あげれば真斗は驚いた様に俺を見てごく、と喉を鳴らした。顔も似てるし、見た目もほとんど一致してるから驚いたんだろう。でも多分こいつは俺が魔法少女だって言う結論には行きつかないだろう。鈍感馬鹿だから。
「っ、……で、で…かわいい…」
まるで俺自身が可愛いと言われた様だ。そんな事は、ないのに。
「ん、友達に聞くよ」
顔が真っ赤な真斗から目を離して俺はからん、と氷が鳴り水滴が滴るコップを持ち上げてごくりとアイスティーを喉に流した。
『ドキドキ、してる?』
「雰囲気壊さないでくんね」
「え?」
「なんでもない」
俺は目を逸らしてふう、とため息をついた。この馬鹿きらりはいないものとして考えよう。
「……でも、探すってどうやんの?」
「あ…、えっと」
そこまで言った瞬間に外から悲鳴が聞こえた。
「!?」
驚いて外を見れば外には人間より2メートルほど高い鬼がいた。モンスターだ。
頻度高くね…?俺はどうやってこの場を切り抜けてモンスターを倒そうかもんもんと考えていた。
そうしていれば上からピンク色の女の子が降ってきてモンスターをステッキの魔法でぶっ叩く。敵はよろけるがあまり効いてなさそう。
それを見て、本当に俺って強いんだな、と再確認した。まあ女の子よりも筋肉あるし、それもそうか…
さらに青色と黄色が降ってきて3人で頑張っている。
周りがその子たちにスマホを向けている。彼女達は魔法少女アイドルの子達だ。同じ魔法少女だからなのか彼女らの魔法の妖精が見える。可愛い。それに対してうちのは…
「最近、モンスター近いよね…」
「……、そうだな」
彼女達が倒してくれれば万々歳だが、後ろのきらりがうるさい。
『倒しにいけまろ!!うちが出柄を取るの!うちの会社お前しかいないんだから!俺が代わりにお前になっとくから!』
最後はよくわからないが、俺は一旦トイレへと入った。
「どゆこと?」
『変幻」
目の前のきらりの姿が俺に変わった。
「……は、すげ」
「ちなみに俺はこの魔法しか使えない」
「かっす」
俺はステッキのボタンを押して変身を終えた。
「やっぱり身体軽いなー…」
鏡を見て自分の姿を見るとやはり自分じゃない気がする。あいつはこれが好きなんだもんなぁー…
俺は窓から外に出てジャンプして屋上へ上がる。言葉だけ聞くとまるで中学生の厨二病のセリフの様だ。
でもこれは現実で、妄想じゃない。
俺は上から勢いをつけて鬼を踏み潰した。
その時鬼の元へ飛んできた魔法少女の魔法を手で握りつぶす。
少し、火傷した感じだ。痛い。
どよ、どよ、と大衆がどよめく。俺はそれを無視して鬼の上に乗り顔面に何度も何度もグーパンを喰らわす。
『ご、っご、やめ…』
ノックアウトー。俺は頭の中でゴングを鳴らして最後の一発を思いっきりちんこにかました。
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