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レッスンは基本ステップから、フォーメーションへと移るのだが、その前に確認したい事があった。私は美薔薇ちゃんと麗愛ちゃんの前に立ち、質問を投げ掛ける。
「二人はフラ経験者だけど、ラブリー・フラ・ハンズは踊れるかな?」
「私もカトレアも大丈夫です。フラ教室で習いましたから。ね?カトレア?」
麗愛ちゃんに顔を向ける美薔薇ちゃんに釣られ、私の顔も同じ方へと動いた。目が合うと彼女は、無表情で答える。
「はい。他にもマイスウィート・ピカケレイや、月の夜はも踊れます。どちらもフラガールズ甲子園の課題曲ですよね?」
「あ、うん。そうだけど……麗愛ちゃん詳しいね?」
「フラガールズ甲子園に出る事が美薔薇の夢なので、調べました」
ちょっと赤面する麗愛ちゃんを見て思った。どんだけ美薔薇ちゃんが好きなんだ、この子は?
「カトレアのそんな所、大好き!」
「やめて、恥ずかしい」
二人のスキンシップを見てると、イチャイチャしてるようにしか見えね~。これはアレか?百合ってやつ?………んな訳ないか!はははは!そんなこと言ったら、真子と小月ちゃんも百合になっちゃうじゃん。
「二人とも大丈夫そうね?そろそろ始めて良いかしら?」
「す、すみません!お願いします!」
レッスン中だと言うのに、つい話し込んでしまった。私って美弥さんが言った通り、流され易いのかも知れない。
「それでは、各自のフォーメーションの位置に立ってください。花園さんは右端、加藤さんは左端でお願いします」
「「はい!」」
美薔薇ちゃんと麗愛ちゃんの声が重なり、二人はそれぞれの位置に着いた。
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