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せめてあと一年…
俺が高校生じゃなくなるまで待っていて欲しかった。
そしたら俺は迷わずあなたにこの手を伸ばしていたと思う。
どんな困難が待ち受けていたとしても、俺はあなたと生きる道を選んでいたと思う。
ねぇ、先生…
誰といても、誰とキスしても塗り潰せない。
あなたが消えない。
あの日から、俺の心はあの場所に置き去りにされたままなんだ。
だから、良い機会なのかも知れない。
四月十日午前8時40分。
俺はあの日の自分を迎えに行こうと思う。
体育館に背を向けて、泣きながら校門を出た五年前の俺を抱きしめに行く。
もう終わったんだとピリオド打って…抱きしめ合おうぜ。
じゃなきゃ俺は、前には進めない。
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