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俺たち幽霊部員
「今日からこの部活でお世話になります。青柳です、力不足で幽霊部員になるかも知れませんが宜しくお願いします」
部室にて、申し訳なさげに青柳は頭を下げた。
「青柳くん、何言ってるんだ。そんな事気にするなって」
部員の前園が、青柳の肩をぽんと叩く。
「でも」
「俺たちも幽霊部員なんだから、みんな仲間だよ」冨岡は明るく笑いながらそういった。
「みんな幽霊部員ってどういう」
「ここは『幽霊部』の部室なんだよ」
「幽霊部の部室?」
部室にいるメンバーは幽霊部の部員だから幽霊部員。ここはそんな幽霊部員が集う幽霊部の部室だとしたら自分は幽霊という事なのか青柳は困惑する。
「みんな、幽霊って事ですか?」
「そうだ」
「僕も、幽霊になってるのか?」
「当たり!」
「でも幽霊部って何をする部活なんですか?」
「それはあたしから説明しますっ!」
青柳の前に紅一点の女子幽霊部員が現れた。生きていたら男子生徒が放っておかない可愛らしいルックスをしている。幽霊部にもこんな女子部員がいるなら部活動もきっと楽しいだろうなあ。そんな考えが青柳の脳裏を過ぎる。
「うん、お願いします」
「幽霊部は校内をぶらぶらする部活です」
「へ?」意外過ぎた返事に頓狂な声をあげてしまう。
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