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「部長? いませんよ」
「いない?」
「先日、成仏したので部室にはもういないんです。今は屋敷副部長が幽霊部を仕切っています」
「そうなんだ」幽霊に鳴っても色々あるようだと青柳は複雑な気持ちになる「どうやったら成仏出来るの?」
「ルールを守って、ちゃんとしていれば、成仏出来ると思います」
先述した事があるからこの部員たちは成仏出来ないんだと納得出来るが、そもそも何故、幽霊部に入部したのか疑問だったので影山に訊ねて見た。
「入部したきっかけですか。あたしはいクラスでいじめられて幽霊部に駆け込んだというか」
「俺は病気が悪化して、気がついたら部室に運ばれていた」
「俺んとこは家が火事で、この部室に逃げて来たって感じかな」
「みんな、様々な理由で入部してくるんだ。僕もクラスでいじめられて、好きな子いたのに告白も出来ずここに来たんだ。なんか入部理由が恥ずかしいな」
「青柳くん、好きな子、いたんですか?」影山が興味津々に身を乗り出して訊ねて来る。
「そうだけど、そんなに知りたいの?」
「当たり前ですよ、気になりますもん」
「でも幽霊じゃあ、告白は出来ないし」
「相手はどんな子ですか?」
「大人しくてかわいい子だったなあ。ああ思い出したら告白しなくちゃって気持ちがまた湧いて来ちゃったじゃないか」
「ごめんなさい、でもでも、青柳くんは今でもその子に会いたいですか?」
「会えるならね。ダメ元でいいから告白したいよ」青柳は「はあ」とため息をついた。
「青柳が成仏出来ないのは、告白出来ない事かよ。幽霊部入って初めて恋バナ聞いたよ」屋敷は頷きながらそういった。
「気持ちはわかるぞ青柳くん。ここで惚気を聞けるとは意外だよ」
「あたしも、好きな相手いたのでその気持ちすっごく共感出来ます。どうでしょう。みんなで青柳くんの恋愛応援しませんか?」
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