俺たち幽霊部員

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 「それは良いことだが、問題がある。青柳が告白したとする、しかし幽霊と生きた生徒の恋愛だ失恋のショックで青柳が闇落ちして悪霊になってしまう可能性が非常に高い」屋敷は反論する。  「確かに青柳くんが闇落ちする可能性はあります。生きた生徒でも好きな相手にフラレたらショックは半端ないですから。それでもやりたい事をやり遂げて、満足する可能性だってあると思います」  「そうだな、それは青柳自身の問題という訳になるが、相手を探してそれでどうやって告白をするんだ? 青柳のことばは生きている生徒には聞こえないんだ」  「そうですね。でしたら青柳くんの好きな子を怖がらせない方法も考えていかないと、こういうのってタイミングが必要だと思います。そうなればスケジュール調整しましょう」  影山は手帳を取り出してパラパラと捲る。そこには月曜日から金曜日までの学校の授業スケジュールがびっしり記載されている。  「みんな、僕の為にそこまでしてくれるの? 幽霊だけどいい奴だな!」  「当然です。告白するなら生きている生徒が帰った放課後がベストなんですが、部活で午後七時までいる事もあります。そのタイミングで告白するのはどうですか?」  「そうだね、人のいないタイミングの方が良いと思う」  「つぎは告白する場所ですね。雰囲気も大切ですから。こういう場所で告白したいとか要望はありますか?」  「教室で構わない。でもこれってどうやっても叶わない恋愛だと思うけど、それでもそこまでしてくれるの?」 振られるとわかっていて告白する事に意味があるのか、最悪、交際相手がいるとわかっていて告白する事になるかも知れないが、それでも意味はあるのか。青柳は疑問で仕方なかったが幽霊部員たちはやる気満々だ。  「幽霊部は校内をうろつくヒマな部活ですからたまには人の役に立つ活動したいんです。部活的に」  「役に立てばいいんだけど」
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