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学校でも治美が加代子に話し掛けるようになったため、自然と他のクラスメイトと言葉を交わすことも増えて来ていた。
「御幸さんて一人が好きなのかと思ってた」
「そうだよね~。いつも物静かだし、落ち着いた大人っていうかあ。……あ! もし『ハブった』みたいに思われてたらゴメン!」
意外だという感情を隠そうともしない同じクラスの女子たち。
「そ、そんなことない、から! 私、喋るのヘタだし、自分から行けなくて……。私の方こそ嫌な感じだった、かも」
「それはないよ~。ミユちゃん、全然悪口言ったり態度に出したりしないもん。むしろすごい『できた人』だな~と思ってたよ、あたし」
謝る彼女に慌てて弁解する加代子に、治美が援護射撃のように言い添えてくれる。
「そうそう! 高校生にもなっていっつもグチグチとか、ちょっとしたことで不貞腐れる子ってめんどくさいよね! いちいち機嫌取ってらんない~」
そこに便乗した他のクラスメイトに、何人もが口々に賛同の意を示した。
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