【3】

3/4
前へ
/17ページ
次へ
 学校でも治美が加代子に話し掛けるようになったため、自然と他のクラスメイトと言葉を交わすことも増えて来ていた。 「御幸さんて一人が好きなのかと思ってた」 「そうだよね~。いつも物静かだし、落ち着いた大人っていうかあ。……あ! もし『ハブった(仲間外れにした)』みたいに思われてたらゴメン!」  意外だという感情を隠そうともしない同じクラスの女子たち。 「そ、そんなことない、から! 私、喋るのヘタだし、自分から行けなくて……。私の方こそ嫌な感じだった、かも」 「それはないよ~。ミユちゃん、全然悪口言ったり態度に出したりしないもん。むしろすごい『できた人』だな~と思ってたよ、あたし」  謝る彼女に慌てて弁解する加代子に、治美が援護射撃のように言い添えてくれる。 「そうそう! 高校生にもなっていっつもグチグチとか、ちょっとしたことで不貞腐れる子ってめんどくさいよね! いちいち機嫌取ってらんない~」  そこに便乗した他のクラスメイトに、何人もが口々に賛同の意を示した。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加