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あなたに会いたい。
あなたがいなくては生きていけない。
浮気したのは私が悪かった。
だから、剣山のようにびっしりと杭が並んだ天井が徐々に下がってきている、この部屋に閉じ込められたのはまだ理解できる。
でももういいと思う。
このままでは、あなたが、被害者ではなく加害者になってしまう。人間がそんな生き方をすべきだとは、私は思わない。
人間は、ほかの生命に苦痛を与えて生きるべきではないから。
浮気した相手の選び方も悪かった。
あなたが大嫌いな、昔からあなたに嫌がらせばかりしてきた、人間の屑のようなパーティ・ピープル。
出来心で、なんかちょっとそんなのも面白そうかなと思っただけで、あなたをないがしろにしたわけではなかったのだけど。
ついでに、あなたのプライベートな秘密を、あらいざらい面白おかしくあのパリピにしゃべったのも悪かった。
次の日パリピが爆笑しながら指差して「お前、今まで告白した女全員から『キモイ』って言われたらしいな」とあなたをからかったと聞いて、やっぱりパリピは人間の屑だなと思った。
お金を使い込んだのも悪かった。
あなたのお父さんが遺したお金を、ホストクラブと競馬で使い込んだのは本当に悪かった。
本当に悪かったと言っても、本当の本当に悪いのは馬ではあるけれど、社会人としての責任感で、一応謝れる。
あなたの親族から勝手にお金を借りたのも悪かった。
あなたがすい臓がんなので治療費がいると言って、あなたの祖父母をだましたのも悪かった。
でも私は、公平に考えて、詐欺というのは騙されるほうも悪いと思っている。
研ぎ澄まされた高度な知性は、感情に濁らされずに、正しい脳波でクリアな正解を導き出す。
あなたの親族たちは、脳波がクリアではなかった。残念だった。
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