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男の子の正体
「お兄ちゃん、朝だよ〜お兄ちゃんもう時間がないよ。早く起きて〜お兄ちゃん」
ゆうきは昨日家に泊めた見ず知らずのボロボロの服を着た男の子に起こされ目が覚めた。
「眠いなー。面接何社も行って疲れてるんだよなー。今日行かないと駄目?明日じゃ駄目なの?」
男の子は言った「今日じゃなきゃ意味がないの!とにかく僕について来て」
「ついて行くって言っても電車賃〜君持ってるの?」
「電車賃ってほら僕はいつもPASMOを持ち歩いてるんだよ」
「へぇー。君のご両親PASMOだけは持たせて
るんだね。君にそんな汚い洋服を着せて育児放棄しておいて」
「お兄ちゃん喋ってる時間ないよ。早く面接用のスーツ来てカバン持って髪の毛整えて用意した履歴書持って早く〜急いで!」
ゆうきは「わかった。わかった」そういうと急いで出掛ける準備をした。
「準備出来たねお兄ちゃん。じゃあついて来て忘れ物はないよね?お兄ちゃん」
ゆうきは「う、うん大丈夫だよ」
男の子は言った。「じゃあ僕について来て」
そう言うとゆうきと男の子はゆうきの自宅の玄関で靴を履くと外に出た。
「靴もボロボロだなー。家に帰らなくていいの?六本木みたいな都会に親戚でもいるの?
でも、おかしいよね?僕に面接スタイルにさせて六本木に連れて行くなんて?」
男の子は言った「お兄ちゃん行ってから話すから急いで」
そう言うと男の子はゆうきの手を握って引っ張った。「行くよ」
「あ、ああ〜」そう言うと、ゆうきはなんだか男の子の温かい手が懐かしい気がする。そう思っていた。ゆうきはそんな事を考えながら見ず知らずの男の子に引っ張られるまま男の子に付いて言った。
電車に飛び乗り訳がわからないまま六本木のオフィス街に来ていた。
ゆうきは言った「お兄ちゃんついたよ。あの一番大きなビルの14階に行くんだよ。
ゆうきは「えっ?あのビルは一流会社だけが入れるって言う有名なビルじゃないか?何で?
あんなところに〜君の親戚ってお金持ちなの?君のご両親は君にそんな汚い服を着せてるのに」
男の子は笑いながら言った「お兄ちゃん、あのビルの近くに行ったら僕は気絶するそんな僕を抱えながらビルの前の警備員に言ってね。道で倒れていた僕を助けてここに連れて来た。男の子が意識を失う前にここに連れて来てほしいって言ってこの住所を渡したって」
そう言うと男の子は住所が書いてある紙をゆうきに渡した。
「じゃあ僕倒れるから」そう言うとゆうきの目の前で男の子は倒れた。
ゆうきは「えっ?何言ってんの?いきなり」
「いいから早く僕に話し掛けないで」
「わかった」ゆうきは戸惑いながらも男の子が言った通りにする事にした。
そして、男の子が言った通り見ず知らずの男の子を抱えて六本木で一番目立つビルの警備員のいる方角に向かった。
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