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「由希ちゃん。クリスマスプレゼント、なにが欲しい?」
「えー、それ聞いちゃうの? つまんなくない?」
僕の言葉に、ココアの入ったマグで手を温めていた由希ちゃんは、ぷぅっと膨れた。少しつり気味の大きな目が咎めるように僕を見る。
そんな顔をしていても、僕の彼女は可愛い。
「だって、僕の選んだものはあまり気に入ってくれないでしょう?」
「気に入ってなくはないよ。それに、選んでもらってこそのプレゼントなのに」
不満そうにする彼女の好みはなかなかにやかましい。
先月の誕生日も失敗だった。
なんとかリクエストを聞き出したら、『こんな感じの色の小物が欲しい』とお気に入りのブラウスを指して言うので、水色の手袋とマフラーのセットをあげたのだ。
由希ちゃんは、それを見て『ターコイズブルーとアイスブルーは違うのよ』と口を尖らせた。
僕にはたいして変わらない水色に見えたものは、由希ちゃんにとっては全然違ったらしい。
それでも、もちろん『ありがとう』と言って、受け取ってくれたし、出かけるときに、アイシャドウを同じ色にして(たぶんだけど)、早速使ってくれた。よく似合ってた。
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