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第10話 外の視線と失念。
炎天下、蝉が鳴り響く街中で、ひときわ注目を浴びる団体がいた。
それは俺らだ。
各方面からチラチラと視線を感じる。
「あの子達可愛い」
原因は明白、こいつらの歩くた日にヒョコヒョコと動く耳だ。
「兄妹かしら、女の子たち猫耳つけてて可愛いわね」
「動物が好きな子達なのかしらね」
家出る時バタバタしてたとはいえ、なぜ家出る時に思い至らなかったのだろう……。
こんな耳をつけたまま外歩いたら、良くも悪くも指さされるに決まってるじゃねーか。
幸い、動物耳のヘッドアイテムだと思われてるらしく騒ぎにはなってないけど
風や歩いた振動の揺れじゃない動きしてるもんな、こいつらの耳の動き。
「あれめっちゃリアルじゃね」
「本物だったりして」
ちょっと気がつかれ始めてるし。
「バカだな、最近動くウサミミ帽子とか売ってるんだぞ」
「マジで、パーティーグッズですごいな」
それ以上ツッコんではこないが、このまま誰にも気がつかれず帰れるかは微妙である。
後悔してても仕方ない、今からでも対策をとるか。
俺は自分がかぶっていたキャップをチワにかぶせ、パーカーを着ていたみけにフードを強引にかぶせた。
「うわっ! ご主人様、何を!」
「ちょ、最低! 痛いし暑いんだけど!」
ミケは俺をポカポカと殴るが、そんなのをかまっている場合ではなかった。
「悪い、我慢してくれ。視線を集めすぎた、嫌だろうけどフード深くかぶって。チワもしばらくこの帽子かぶっててくれ」
すんなり受け入れたチワに対して不機嫌な表情を作ったミケだったが、周りの人にこちらを見られているのに気がつくと、さすがに居心地の悪さを感じたようだ。
「確かに目立つね」
状況を把握し、殴っていた手を休めた。
そう言って渋々納得し、より深くフードをかぶった。
しかし、今頭を隠すことができるのはこの二人だけだ。
そのことが気になったのか、チワは少し申し訳なさそうな表情を浮かべる。
「でも帽子……私が使っちゃっていいんですか? ラビとハルは……」
「二人に俺のキャップは大きすぎる、二人分はショッピングモール入ったらすぐ帽子買って、その後かぶらせるから気にすんな」
そう言ってチワの頭をポンと叩くと目の前を歩くラビとハルを見るのだった。
正直、予定外の出費だが……致し方ない。
軍資金は帰ってきたら姉さんからもらえばいい。
あぁ、もし俺が魔法使えてたら……こいつらの耳目立たせないようにすることができたのだろうか。
いや、既に魔力覚醒させてたら、そもそもこんなことにはなってないのか。
俺は色々な気持ちが入り混じり「はぁ……」と深くため息を吐いた。
そうしている内に、ショッピングモールにり着いた俺たちは施設の中に入っていく。
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