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「私、やっぱり子供のことは諦めきれない。あなただってそうでしょう?」
意を決して、子供のことを相談した私。
夫は複雑な表情を見せたが、
「でもね、君が子供のことになって悲しい顔をするの、見ていると辛いよ。君にはもっと、笑って暮らして欲しい。」
夫は、自分の感情を押し殺してでも、私のことを心配してくれていた。
それが、私の胸をより締め付けた。
「あなたの本心が聞きたい。私のことは良いから。」
このままでは、夫は自分の願い、望みを全て投げうってでも私と一緒にいるという選択しかしなくなる。
私は、そんなことは嫌だった。
夫婦なのだから、お互いの希望や願いを話し合うのは当然だと思う。
夫は、少し困ったように苦笑いを浮かべると……。
「本当は、僕も子供が欲しいと思っていたんだ。でも、君が辛い思いをするくらいなら、諦めよう……そう思ってた。」
自分の気持ちを少しずつ話してくれた。そして……。
「本当は、僕も子供を諦めたくない。少しでも可能性があるのなら。辛い選択かもしれないけれど……。」
良かった。夫は私と同じ気持ちだった。
「辛い選択でも、頑張れる。あなたと同じ気持ちなら……。」
私はもう一度、夫と新しい家族を迎えるために進むことを、決めた。
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