七十七 二人きりの温泉

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七十七 二人きりの温泉

 素肌を密着させながら、唇を貪る。啄むようにキスを繰り返しながら、舌を味わった。肌が触れ合った場所が気持ち良い。律の髪に手を差し込み、やわやわと搔き乱す。 「ん……、ふっ……」  舌先を擽り、ゆっくりと唇を離す。もっとキスしていたい気もしたが、外みたいな場所だと落ち着かなくもある。まだ慣れない俺の手を引いて、律がデッキに躍り出た。陽の光が素肌に木の葉の陰を落とす。すごく、美しい光景に見えた。 「律……」  妖精みたいだ。と口にしかけて、唇を噛む。すごく、ガラじゃないことを考えてしまった。口にしていたら、何て言って揶揄われるか、解ったもんじゃない。 「すごい、開放感。……なあ、航平。良く見てよ」 「……うん」  息が荒くなるのをこらえながら、デッキに立つ律の裸体をじっくりと眺め見る。美しいつま先から、すらりと伸びた脚。無防備な下半身に光がさして、体毛がキラキラ光っていた。腹部も、実はけっこう好きだ。臍と脇腹。薄い腹筋。胸と――俺が弄っているせいで、敏感な乳首。鎖骨に、首筋。唇――鼻、瞳。 「全部好き」 「ばか」  笑う律を抱きしめ、もう一度キスをする。律は恥ずかしそうにしながら、俺の首に腕を回した。 「……、湯船、入ろうか……」 「ん……」  ゆっくりと湯船に浸りながら、互いに身体をまさぐりあう。ちゃぷ、と湯が揺らいで、水面に模様を作る。 「ん、は……、っ、せっかくの、温泉……なのに」  クスクス笑いながら言う律の耳を食みながら、「じゃあ、やめる?」と囁く。律は「いやだ」と肩に噛みついて来た。  露天風呂だからか、湯の温度はそこまで高くない。肌を手で滑らせ、敏感な部分を撫でていく。 「っ、ん……航平……」 「律、好きだよ……。綺麗だ」 「っ、なに、言って……」 「乳首も、可愛いし……脚も……すごく、良い」 「あ、ん……」  ピクピクと、律が跳ねる。肌がピンク色なのは、お湯のせいばかりではないのだろう。甘い表情に、こっちも理性が吹き飛んでいく。 「律……、律ちゃん、ここ、座って」  興奮して、荒い息が漏れる。律を促して、浴槽の縁に腰かけさせた。 「おい、航平……っ」  律の膝を割って、間に身体を滑らせる。臍の脇にキスしながら、徐々に下へと顔を下ろす。 「っ……」  律の甘い声が耳に響く。反応を見せ始めた中心を口に含み、喉奥まで深く咥える。舌で愛撫しながらちゅうと吸い上げると、律の膝がビクッと震える。俺は太股に手を添え、じゅぷじゅぷと音を鳴らしながら精を啜った。 「んっ、あ、……っぅ」  律は胸を仰け反らせ、快感を受け入れる。いつもより大胆なのは、旅先という状況のせいか、庭先という場所のせいか。いずれにしても、酷く艶かしい。  太股に顔を挟まれ、調子に乗って律の身体をデッキに押し倒す。脚を高く上げさせ腰を浮かせると同時に、トロリと粘液の糸を引きながら唇を離す。 「ちょ、航平っ……」  抗議の声を無視して、露になったアナルにぬるぬるした舌を這わせた。 「っ!」  ひときわ大きく身体を跳ねらせ、律が驚く。舌先でヒダを擽り、先端を穴に埋めていく。 「ちょっ……!」  律が手を伸ばす。が、表情から察するに、羞恥心はあれど嫌ではなさそうだ。ならば、続行する。  両の親指を穴に這わせ、左右に割り開く。俺のせいで柔らかくなっている穴は、さしたる抵抗もなくくぱっと口を開ける。内部の色はピンクっぽい赤だ。血肉の色だと思うと生々しい。  敏感なそこに舌を這わせて、優しく舐める。 「ん、んっ……」  律が悶えるように呻く。律のここは、もう単なる排泄の器官ではない。俺を受け入れ、俺によって、快感を得るようになってしまっている。  うねうねと舌を蠢かせ、解すように内部を愛撫する。指や性器で擦られるのと違って、もどかしいのだろう。だが、興奮はしているようだ。 「あ、はっ……、航、平……っ、あたま、ヘン……なっちゃ、……ん!」  律の身体がビクン! と大きく跳ねる。ビク、ビクッと脚を痙攣させ、それからぱたんと力なく手足を投げ出した。 (――今、女みたいに、イった……?)  ドクドクと心臓が鳴る。律は荒い呼気を吐き出しながら、潤んだ瞳をこちらに向けた。上気した頬が愛らしい。 「あ、あ……、ぁ……んぅ…」 「律……、可愛い……」  ハァと息を吐き出し、俺は律の脚を掴んで左右に割り開いた。
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