夢の殺人

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夢を見た。 感覚としては長い夢のように感じたが、覚えているのは最後の方だけだった。 俺が人を殺していた。 若い男。知らない男だ。 男の胸をサバイバルナイフで一突きだ。 知らない男で夢の中でも男の名前を聞いたこともないのに、俺は男が誰かであるかがわかった。 名を福島啓介と言う。 目覚めても、男の顔と名をはっきりと覚えていた。 そして男を殺した瞬間も。 ――変な夢を見たなあ。 起きて朝食をとる。 テレビでニュースを見ながら。 ニュースでは殺人事件が取り上げられていた。
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