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でも返事が来るのは半年に一回ぐらい。
テレビを付けると、どれかのチャンネルに必ず映っている優子は、多忙を極めている。その中でも手紙を返してくれるのは、嬉しかった。
一度、優子のステージを観に行ったことがある。自力で当てたコンサートの席はステージから遠くて、優子が米粒みたいに見えた。
そして、優子がとても遠い存在になっていること、優子にとっても、観客席にいる僕らは、とてもちっぽけだと気づいた。
それからは、何だか怖くて行けなくなった。
もう自分は受験で大切な時期だというのに、優子のことばかりを相変わらず考え続けている。
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