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突然、ベッドに置いていた携帯電話が着信音とともに震え始めた。
椅子から立ち上がり、携帯を手に取ると、知らない番号からの電話だった。急いで外線ボタンを押し、電話に出る。
「もしもし」
「岩田壮馬さんかな?」
おじさんの声だった。
「はい、そうです」
「私、〇×エンターテインメントの篠崎といいます。白石優子の彼氏さんで合ってるかな?」
ぎくりとした。そして、二人の秘密だったことを、この篠崎という知らないおじさんが知っているのだろうか。
「はい」
「優子と別れてくれないか。仕事に支障が出るんだ」
心臓がどきんと飛び跳ねる。僕が一番恐れていた言葉だった。そして、篠崎という者は追い打ちをかけてくる。
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