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誘ってくれた子は下心満載で喜んで帰って行ったが、シュンの方がスキップしたくなった。 すぐにシュンママに連絡すると、すでに知っていた。 「ママ友なんだから当たり前でしょう」と、電話口からもそのドヤ顔が浮かぶほどだった。 「いつ聞いてくるかと思ってたんだけど」 「意地悪だなぁ…」 ついシュンから、本音が出た。 「いつでもチケット取ってくれるって言ってたから、久しぶりに会いに一緒に行きましょう!」 「C’est bien!」 さすが魔法使いは、誘ってくれた子に借りを作らないようにまでしてくれる。 アカネちゃんの本名は、日本名では(はな)(あかね)。 在日韓国人だったのだそうだ。 財閥出身だったのでお金には困らなかったが、人種差別が酷くて度々外国人である母のところに悩みを打ち明けに来ていたという。 茜ママ一家は途中で韓国に帰ったが、シュンママとはずっとママ友のままだったので、アカネちゃんが国立バレエ団を目指してこの国に来てからは、時々茜ママとは会っていたらしい。 シュンは全く気がつかなかった。 ママ友恐るべし。 結局千秋楽のその日に観劇した後、久方ぶりに茜ママとアカネちゃん、シュンママとシュンの4人でお泊まり会が開かれる事になったのだった。 待ち遠しい。 宝物のお返しをする日が、やっと来た!
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