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「シュンちゃ〜ん!何してんのぉ!早くきなさいって、まゆみせんせーがいってるよぉ!」
シュンちゃんと同じキリン組さんのサキちゃんが、大きな声で呼んでいる。
ちょっと恥ずかしい…。
心の中でシュンちゃんはそう思って、仕方なく目を開けた。
「アカネちゃん。みんながよんでるよ」
アカネちゃんだって、シュンちゃんと同じキリン組さんだ。
でも、みんな何でかアカネちゃんの名前は呼ばない。
呼んでも来ないからだろうけれど。
それはちょっとさみしい…。
「アカネちゃん、いこうよ」
シュンちゃんは、もう一度誘ってみた。
「ここがいいの」
ふわふわした声で、アカネちゃんは誰に話しかけているのかわからないような感じでいった。
テコでも動きそうもない、いつものアカネちゃんなので、シュンちゃんは起きあがって、ぽんぽんと頭についた砂を払うともう一度アカネちゃんに声をかけた。
「ぼくいくよ?」
気持ち良さそうに目を閉じて寝そべっているアカネちゃんは、やっぱりもうお話しはしなかった。
いつもの事。
うらやましいなと思いながらも、シュンちゃんは「シュンちゃん!シュンちゃん!」と連呼するサキちゃんのところにかけて行った。
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